DXで進める働き方改革とは?

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?デジタル化で変わる働き方

ここでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か、またはその活用方法やDXの効果について説明していきます。また、DXを使用した改善事例の紹介もします。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の定義

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、IT技術を活用して現在のビジネスやサービスをあらゆる方面で良い方向に変化させ、今までにない価値やサービスを創り出す概念のことをいいます。これは、企業の業務を根底から変えるほどの業務転換をすることで、将来に渡って持続可能な企業に変化させる取り組みです。

またDXは、デジタルシフトとも呼ばれ、クラウドに保存してあるビッグデータを人工知能(AI)・機械学習によって分析・利用します。既存の膨大なデータ(紙データなど)やノウハウ(ベテランの知見)を分析することで、新しい事業の創造や既存設備の維持管理などに役立てることが可能になります。

機械学習・人工知能(AI)とは?

機械学習とは、コンピューターに読み込ませた大量のデータからパターン化されたものを学習させることで、分析結果を抽出するアルゴリズム(データ解析のルール)です。機械学習の位置づけとしては、人工知能(AI)の一部として考えられています。現在この技術は、自動車やロボットなどの自動運転や金融(フィンテック)、医療分野などに活用されています。

人工知能(AI)とは、明確な定義はないとされていますが、人間が判断していた知的活動をコンピューターによって行うものとされています。機械学習やより高度な深層学習(ディープラーニング)技術を使って、人間の代わりに将棋やチェスを覚えさせる取り組みは有名です。実際の業務でも、ウェブ上の自動応答システムによって電話やメールなしに、質問の答えに辿り着くことができるようになっています。今後AIは、運輸業界への自動運転や経路選択、製造業界へのIoTによる機械の自動化が見込まれています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の効果

デジタルトランスフォーメーション(DX)の効果とは、例えば印刷業界では従来のように顧客からの注文を待つだけでなく、企業の持つビッグデータ(豊富な色調やフォントデータ)を活用したデジタル認証サービスの展開などが挙げられます。また海外では、配送トラックに広告を掲載することによって、広告業務を行う事例も見られます。どちらにも共通するのは、注文を受けてから商品を提供するのではなく、リアルタイムで人や企業にサービスを提供する点です。

これらが冒頭でも述べた、企業の業務を根底から変えるほどの取り組みです。このようなデジタルトランスフォーメーション(DX)によって、持続可能な企業へと変化させることが期待されています。

略語がなぜ「DT」ではなく「DX」なのか?

DXの略語がDTなのは、Xは英語圏でトランス(Trans)の略語を意味するからです。トランスは、「超えて」「横切って」「貫いて」などの意味があり、DXはデジタルの垣根を超える概念という意味があります。

厚生労働省の目指す「働き方改革」とは?

厚生労働省は、「働き方改革」と名付けた労働環境の改善に力を入れています。この取り組みは、国内での人口減少に対応するだけでなく、世界中で叫ばれる環境問題や省エネ化にも貢献する取り組みとして注目を集めています。

働き方改革とは?

厚生労働省が説明する働き方改革とは、少子高齢化や人口減少などの状況に対応するために、生産性向上と働く人のより良い将来を目指した働き方への取り組みです。

働き方改革の背景は労働人口の減少

これらの働き方改革は、日本の少子高齢化によって将来の労働力人口の減少に対応するために考えられました。厚生労働省の予測では、2040年には現在よりも1,200万人の労働力人口が減少すると言われています。これは、出生率よりも高齢者の死亡率の方が多いことと、現在は高齢化により65歳以上の労働力人口が多いためです。そのため、2020年以降は、労働力人口が徐々に減少することになります。

働き方改革導入の課題

日本は、自動車産業などの製造業を中心とした産業で成り立っていて、日本国内の雇用の約7割は中小企業です。某大手自動車会社も7割は部品を外注していると言われ、その外注先の多くは中小企業の部品メーカーです。

働き方改革は、賃金・労働時間の見直し・魅力ある職場作り・人材確保などが課題ですが、大手企業のように時間的・金銭的な余裕がない点が課題となっています。

また、正社員と派遣労働者は年々増加傾向ですが、同じ仕事でも待遇が違うなどの問題も見つかっています。厚生労働省により格差是正が行われましたが、実際には格差が解消していない部分もあり、効率化とは名ばかりの労働力の確保という側面が否めません。

また、働き方改革を進めるには、企業の効率化と利益向上が必要です。そのためにはDXの導入が不可欠ですが、中小企業にはDX導入はハードルが高い点も課題になっています。

ITインフラとは?(デジタル・トランスフォーメーション(DX)・働き方改革による企業の取り組み)

ここでは、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に不可欠なITインフラを紹介します。現在では、残念ながら「私は、PCやITには疎いもので」ということはビジネスでは通用しなくなっています。ここでは、そんなDXの基本となるITインフラについて説明します。

ITインフラとは?

デジタルトランスフォーメーション(DX)を支えるITインフラとは、主に「クラウド」「PRA(自動化)」「ネットワーク」「人工知能(AI)」の四つです。現在、企業はDX導入に躍起になっていますが、実際に自分の会社にどのようなITインフラを導入するかを決定するのは困難です。専門的なITコンサルタントは、各企業の業務の特徴や既存のITインフラを有効活用しながらDX導入を進めています。

ITインフラで代表的なものが、クラウドサーバーです。一般的には、音楽や動画・ゲームのストリーミング配信の利用をイメージすると分かりやすいと思います。クラウドでは、以前のようにパッケージを販売するのではなく、スマートフォンやタブレット・PCなどからアクセスしてダウンロードすることでサービスを利用します。

DXでは、社内の業務システムをクラウドに移行することで、テレワークでの遠隔操作での業務が可能になります。また、ウェブ会議システムやコミュニケーション・チャットツールもクラウドで配信されているので、プラットフォームや場所を問わずに利用することができます。

そのクラウドサーバーですが、中小企業の多い日本では、必ずしも全ての企業が最新のクラウドサーバーを導入すれば良いというわけではありません。まずは、経理や総務などの事務処理をRPA(Robotics Process Automation)などを活用して自動化し、徐々に業務を効率化していくのが一般的です。

このような取り組みを行う中で新たな課題が見つかり、さらにDXの取り組みを進めていく事になります。DXに必要なITインフラとは、業務の変革に必要なハードウェアでありソフトウェアとも言えます。

働き方を変えるITインフラに求められる要件

働き方を変えるITインフラの代表的なものは、リモートワークです。リモートワークには、社外に情報を持ち出すためにセキュリティ性能の高いクラウドとネットワークが不可欠です。また、自宅や外出先での認証のためのソフトウェアやハードウェアも必要になってきます。

個人で使用するPCやソフトウェアも、常に最新の物にしておくことにより、ウィルスや情報漏洩のリスクを減らす事ができます。

その他には、社内のオンプレミスサーバー(自社内サーバー)をクラウドサーバーに変更して、効率化と利便性を図る事も必要です。しかし、全てクラウドサーバーにする必要はなく、現在の資源を活かしながら徐々にクラウドに移行するのが一般的です。

働き方改革を推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)の事例

ここでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の事例を紹介します。DXの取り組みは始まったばかりで、これからも様々なサービスが登場していきます。

Web会議システムへの導入

現在、急速に広まったWeb会議システムですが、AIを導入したWeb会議システムが登場しています。このシステムを使用すると、会議の議事録音声を自動的にテキストに変換してくれるので、以前のように録音を聞きながら文字起こしをする必要がなくなりました。これにより、会議に集中できる時間が増え、業務の効率化にも繋がります。

給与計算BPOサービス

働き方改革の代表的なDX事例として、給与計算BPOサービスがあります。給与計算BPOサービスは、外部に人事給与部門や就業管理などを委託するサービスのことで、本来の業務に集中して業務の効率化を目指します。

給与計算BPOサービスは、RPAを使用した自動化処理のオプションにより計算や集計の自動化が可能になります。また、クラウドを活用する事により、人事評価や勤怠管理などの給与計算の枠を越えた管理も可能になります。

データ入力業務アウトソーシングサービス

データ入力業務アウトソーシングサービスは、アンケートや資料作成などの入力業務を外部に委託するサービスです。以前は、自社でキーパンチャーという職種の人達が専門の技術を使って入力業務を行っていましたが、人材の流動化やコスト削減・業務の効率化に対応する目的でこのサービスが利用されています。

企業向けワーケーションサービス「JOB HUB WORKATION」

現在、企業に急速に広まっているのが、自宅やシェアオフィスで業務を行うテレワークです。企業向けワーケーションサービス「JOB HUB WORKATION」とは、某大手人材派遣会社が提供する、地方などにサテライトオフィスを設置するサービスです。

そもそもワーケーションとは、「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語を意味し、地方の自然に囲まれた中で仕事をすることにより、仕事と観光の両立を図るというものです。

さらに都心部のウィルスを回避する目的や、人々の価値観の変化に対応するという目的もあります。さらに地方には、エネルギーインフラや観光業などの有効活用が期待されており、今後もさらに取り組みが加速しそうです。

オフィス空間のデジタル化

オフィス空間のデジタル化とは、例えば空調管理があります。現在、以前はあまり気にしなかった温度計・湿度計の需要が伸びています。これはウィルスを含めた室内の空調を管理することで、社員が快適に仕事するのに役立ちます。

温度計・湿度計は、IoTセンサー技術により、外出先からスマートフォンやタブレットで温度管理が可能です。その他、オフィスの入退出管理や社員識別システムなど、各種センサー技術を使用したオフィスのデジタル化が進んでいます。

​働き方改革の次に注目されている「休み方改革」とは?

休み方改革とは?

休み方改革とは、ゴールデンウィークや夏休み・冬休みなどを分散し、有給休暇や週休での休みを増やす取り組みのことです。

休み方改革で得られるメリット

長期連休を分散することで、人の密集を避けられるのでウィルスへの感染リスクを減らす事ができます。また、仕事や趣味の多様化により、人の少ない時期に休暇を取る事ができ生活の充実にも繋がります。

休み方改革の具体的な事例

【年次有給休暇の取得促進】

労働基準法では、「半年以上継続して勤務している」「全労働日の8割以上出勤していること」の2つの条件を満たしていれば年次有給休暇を取得できます。2019年の労働基準法改正により、年次有給休暇日数が10日以上である全ての従業員は、毎年5日間の年次有給休暇を取得させることが義務化されました。

これによって、以前のように有給はあっても使用できないということが無くなりました。海外では当たり前の有給ですが、日本でも休み方改革により有給休暇の改善が進んでいます。

​働き方改革とデジタルトランスフォーメーション(DX) まとめ

さて、ここまでデジタルトランスフォーメーション(DX)の仕組みや事例、働き方改革や休み方改革などについて説明してきました。これらの取り組みは、今後の持続的な社会を維持するために、国や企業のデジタル化が必須であると言い換えることができます。今後の日本の少子高齢化やエネルギー・環境問題に対応するには、いかに少ない人数で効率よく業務を行うかが求められており、デジタルトランスフォーメーション(DX)は、その代表的な技術です。

しかし、必ずしもDXを導入することで全ての企業が生き延びられるかと言うとそうとも限りません。なぜなら、DXとは単に最新のITインフラを導入するだけでは解決できない、アイデア勝負でもあるからです。本質的に企業というのは、アイデアマンによって構成された組織ではなく、その反対の人達で構成されていることからもその難しさを想像することができます。

今後、国や企業がデジタル化することは必然と言えますが、現在の米大手IT企業による寡占的な取り組みがいつまで継続するかは誰にも分かりません。そうなると、本来の日本人の得意としていた「こだわりのものづくり」が復権する可能性もあると思います。

参考URL:

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/

https://ak4.jp/column/yasumi-kata-kaikaku/