NTTの新しいネットワーク構想「IOWN」とは?

 

 

目次

 

1. NTTのIOWN(アイオン)構想とは?

2. IOWN(アイオン)構想の3つの主要技術

 2.1 オールフォトニクス・ネットワーク

 2.2 デジタルツインコンピューティング

 2.3 デジタルツインコンピューティング

3. これからは人の外見よりも内面の時代?【ヒトの意識や思考をデジタル表現するNTTのIOWN(アイオン)構想】

4. NTTの新しいネットワーク構想「IOWN」とは? まとめ

 

1. NTTのIOWN(

アイオン)構想とは?

NTTによると「 IOWNInnovative Optical and Wireless Network)とは、革新的な技術で従来のインフラの限界を超え、あらゆる情報に基づいて個人と全体を最適化し、多様性を受け入れることができる豊かな社会を創造することです。」と書かれています。簡単に言うと、高度な光ファイバー技術AI(人工知能)技術を使って社会生活をより便利にする技術と言えるでしょう。

「それを作るために、膨大な計算資源などを中心とした革新的な技術を駆使して、高速・大容量の通信を提供できる端末を含むネットワーク・情報処理インフラのコンセプトです。 2024年に仕様を完成させ、2030年に実現することを目指しています。」

 

2. IOWN(アイオン)構想の3つの主要技術

ntt iown

ここでは、IOWN構想の3つの主要技術を紹介します。

 

NTT IOWN3つ主要技術 基礎技術(1) 基礎技術(2)
オールフォトニクス・ネットワーク 光電融合技術(NTTエレクトロニクス(株)の技術はこちら) 大容量光伝送システム・デバイス技術
デジタルツインコンピューティング 四層アーキテクチャ(詳しくは、こちら) 4Dデジタル基盤
コグニティブファウンデーション 自己進化型のサービスライフサイクルマネジメント 無線アクセスを最適化するCradio(クレイディオ)
NTT IOWN3つの主要技術一覧


2.1 オールフォトニクス・ネットワーク

オールフォトニクス・ネットワークは、ネットワークから端末まであらゆるものにフォトニクス(光)ベースの技術を導入し電力効率を100倍に伝送容量を125倍に」「エンド・ツー・エンド遅延を200分の1に」を可能にする技術です。いわゆる光ファイバーの内部の波長をより細かくコントロールする技術とICチップの内部の通信を従来の銅線から光ファイバーにする技術のようです。詳しくは、こちら

※フォトニクスとは? たとえば光ファイバーにおける光子の特性と透過に関係する技術の分野。

現在の光ファイバーの伝送容量が10Gbpsだとすると、IOWNのオールフォトニクス・ネットワークの伝送容量125倍では、1.25Tbpsと超高速の光回線になります。NTTの説明によると更にこの10倍くらいの伝送容量が可能なようです。このような回線が一般的にも使用されれば、各家庭に分岐されている光ファイバー1本の速さも125Gbps〜1.25Tbps?くらいにはなるのではないでしょうか?

 

2.2 デジタルツインコンピューティング

デジタルツインコンピューティングとは、現実世界デジタル世界を掛け合わせた、仮想都市(仮想空間)を生成する取り組みです。よく、ニュースでも話題になるNVIDIA社の技術を使ったVRの仮想現実都市などを思い浮かべるといいと思います。従来は、クルマや都市などのそれぞれのモデルと単体でデジタル上に生成して分析していましたが、IOWNでは都市や人・クルマなどを全て再現し、仮想現実の中では人の心までをも再現しようという試みです。詳しくは、こちら

 

2.2.1 デジタルツインコンピューティングの四層アーキテクチャとは?

ここでは、IOWNのデジタルツインコンピューティングの四層アーキテクチャについて説明します。

(現実世界)


↓ ↑

2.2.1.1 サイバー/物理的相互作用レイヤー

サイバー/物理的相互レイヤーは、現実世界から以下の物を使って情報を収集します。

・カメラ光検出および測距(LiDAR)
・バーチャルリアリティ用のヘッドマウントディスプレイ
(VR)/拡張現実(AR)
・機械学習プログラム

↓ ↑

2.2.1.2 デジタルツインレイヤー

デジタルツインレイヤーは、収集されたデータとモデルを格納します。

デジタルツインの作成に使用に

検索
更新
削除

の機能が使えます。


2.2.1.3 デジタルワールドプレゼンテーション層

デジタルワールドプレゼンテーション層では、デジタルツイン(エッジサーバー、クラウドサーバー等)に格納されているデジタルツインレイヤーが結合・相互作用して、デジタル上に仮想社会を構築します。

交通環境
都市空間
オフィス
時間軸

などをデジタル上に再現することができます。
そして、オリジナルから

形状
素材
動作モデル

などを

複製
融合
交換

などの操作をすることができます。


これによって、デジタル上で例えば、都市空間で使用するコンクリート柱CFRPで補強するとどの程度の強度になるか?などの検証も可能だと思います。
その他、交通環境やオフィス等でも、人にとって快適で安全な環境作りに貢献できると考えます。

2.2.1.4 アプリケーション層


アプリケーション層では、アプリケーションの実装と実行を行います。
(例)


地球・宇宙のシュミレーション
都市問題の解決
経済活動のための姉妹都市を作成
病気の予測と拡大の抑制
多面的な(個人の)意思決定

参考URL:https://www.rd.ntt/_assets/pdf/iown/reference-model_en.pdf

 

2.2.2 4Dデジタル基盤とは?

4Dデジタル基盤は、IOWNデジタルツインコンピューティングを支える基盤です。4Dデジタルプラットフォームは、人・物・物のさまざまなセンシングデータ(MMS等)リアルタイムで収集し、「緯度経度高度時間」の4次元情報高精度に照合して統合し、さまざまな産業用プラットフォームと統合します。 これは、データの融合と将来の予測を可能にする基盤です。

 

2.2.2.1 4Dデジタル基盤の位置基点となる高度地理空間情報データベースの整備

・地図データのノウハウを活用し、既存の地図データの位置精度をさらに向上

MMS(モービルマッピングシステム)を活用した道路中心の高精度3D空間情報の開発

参考URL: https://www.rd.ntt/4ddpf/0001.html

 

2.3 コグニティブファウンデーション

コグニティブファウンデーション※1とは、すべてのICT ※2リソースを最適に調和させ、ネットワーク内で必要な情報を配布する機能を備えています。具体的には、マルチオーケストレーター※3は、クラウドエッジ(ローカル5G)、ネットワーク端末などのさまざまなICTリソースを最適に制御します。詳しくは、こちら

 

※1 コグニティブファウンデーションとは、(Cognitive Foundation®)すべてのICTリソースの最適な調和を目的とするIT基盤のこと。

※2 ICTとは、(Information and Communication Technology)情報通信技術の略で、通信技術を活用したコミュニケーションのこと。インターネットの通信技術を利用した産業やサービスなどの総称学校のICT教育(遠隔授業)などが有名。

※3 マルチオーケストレーター:オーケストレーションとは、(英: orchestration)複雑なコンピュータシステム/ミドルウェア/サービスの配備/設定/管理の自動化を指す用語。または、ITインフラの自動化

 

NTT IOWNのコグニティブファウンデーションとは、一言で言えばクラウド+エッジ+マルチオーケストレーターです。クラウド+エッジサーバーの組み合わせは、楽天モバイルの基地局に既に取り入れられています。この楽天モバイルの技術は、従来は基地局からクラウドサーバーに情報を送っていたものを、同基地局に設置してあるエッジサーバで処理する事により情報を効率的に扱うことができる技術です。

初めて、4G LTE回線を使ったスマートフォンを体験した人は誰もがその速度に驚きました。通常のウェブ閲覧程度なら、現在最新のスマートフォンでも体感的にはそれほど変わらないはずです。それほど、現在の4G LTE回線は優れた通信回線であり、日本は全国のカバー率も優れています。その点だけを見ても、他国よりも有利で言えると思います。この4G LTE回線を徐々に5G6Gに変更していけば、将来は4G LTE回線のような全国カバー率を達成できるのではないでしょうか?

 

 

現在でも、淡路島を拠点とするパソナ株式会社のように、今後は日本がよりコンパクト化していくと思います。コンパクト化した各コミュニティでは、5Gやローカル5Gによる通信が街や人々を支えるはずです。すると、今までは東京圏が中心となっていた日本の産業も分散されて地方に点在することになると考えます。コグニティブ・ファウンデーションは、そのような5Gやローカル5Gや公共のwi-fiにも活用されていきます。

 

 

2.4 4G/5Gを意識せずに無線アクセスを最適化するCradio(クレイディオ)とは

Cradio(クレイディオ)とは、4G/LTE衛星通信Wi-FiWiMAXIoT向けのLPWA (Low Power, Wide Area)・5GLocal 5Gなどの種類を意識せずに無線アクセスを最適化する無線制御技術の総称です。

 

3. これからは人の外見よりも内面の時代?【ヒトの意識や思考をデジタル表現するNTTのIOWN(アイオン)構想】

iownとは

3.1 SNSの次に起こる爆発的なブームは何?

IOWN構想による、取り組みの中に「人の意識や思考をデジタル表現する取り組み】というものがあります。人の信頼度をデジタル化するものとして、信用スコアというものがあります。信用スコアは、その人の学歴や職業・生活習慣・学習習慣などを総合的にスコア化して、融資を受ける際の指標にします。

テレビでダウンタウン松本人志さんが、「銀行で貯金を下ろそうとしても、時間がかかるねん、俺の金やのに。」という風な話をしていました。これも、デジタル化が進めば指紋や静脈認証顔認証で一発で済むようになるのではないでしょうか。

今後IOWNで示されたような、仮想社会の創世が現実の人間の行動やコミュニケーションに影響を与える時代になればこれらは変わってくると思います。例えば、先ほどの松本さんが不満に思っていた気持ちも、仮想社会の本人に反映されて、現実でスムーズなやり取りを可能にします。

つまり、人が考える相手に対する見た目や考えは当てにならない部分があるので、仮想社会で作り上げた「もう一人の自分」を基準にして、現実の人を判断するというやり方です

 

3.1.1 現実やデジタル世界でヒトの状態や行動を表すデータ(パラメータ)

  • 心拍数“などの生理情報
  • 発話” “態度” “感情“などの心理的行動情報
  • 移動“や”身体動作“などの運動的行動情報
  • 場所“や”状況“、”着ている衣服“などのヒトを取り巻く環境情報
  • 住所“や”職業“、”人間関係“など社会的情報

 

3.1.2 現実やデジタル世界でヒトの個性と特徴を再現するモデル

  • 行動傾向性格価値観をモデル化した人格・思考モデル
  • 知覚知識言語能力身体能力をモデル化した能力モデル

これらの個人データモデルを使ってデジタル社会にもう一人の自分を作り上げて他者とのコミュニケーションを行なったりして、デジタルの自分が現実の自分にも反映されるようになります。

参考:NTT DTCホワイトペーパー

3.2 現実と仮想現実が=(イコール)になる日

なぜ、現実と仮想現実を共通にしようとしているのかと言うと、社会をより便利にするためと人々がそのようなVR空間でのサービスや体験を求めているからだと思います。人々が求めているものを与えようと考えることは、どの分野でも同じです。

通信機器大手エリクソンのホームページにも、「VRとARは今やファンタジーを提供していますが、日常をより幻想的にすることが消費者が本当に求めているものです。」「それほど遠くない将来、卓球の世界チャンピオンと卓球のVRチャンピオンが同じ人物になる可能性があることに気づきました。」と書いてあります。現在でも、レーシングドライバーは最新のレーシングシュミレーターを使って訓練しています。

SNSの考えの主流になっている多数派(マジョリティ)が少数派(マイノリティ)も受け入れる多様性のある社会になるのではないでしょうか?つまり人と違った変わった考えを持っている人や、現実世界で何らかの制約がある人でも、仮想社会(仮想現実)のもう一人の自分(デジタルデータ・資産)が現実に作用するようになるため、「データが全てなので」と言う事ができると考えています(データとは、結果だけでなく意識や思考のデータも含む)。

この事から、現在のSNSブームは基盤のみを残して終わりが近いのではないでしょうか(例えば、次のSNSは「どうぶつの森」のような、現実と同じ仮想空間内で様々なコミュニケーションができるSNSとか。)?

 

e-mail 1985年()→ インターネット 1995年(機械)→SNS 2005年()→AIIoT 2015年(機械)→ 

 

先のアメリカ大統領選挙でも、トランプ氏バイデン氏に負ければ、「今まで、ただ白人というだけで様々な恩恵を受けてきたことが無くなってしまう」とトランプ支持者がおびえているのも頷ける話です。どうやら、デジタルでも現実でもそのような多様性を取り入れる方向に進んでいるのは間違いなさそうです。

参考:【NTT】 https://www.rd.ntt/iown/0003.html

 

4. NTTの新しいネットワーク構想「IOWN」とは? まとめ

ntt iown

今回は、NTTのネットワーク構想「IOWN」を紹介してきました。IOWNとは、簡単に言うとNTTが長年行っている光ファイバー研究の延長線上にある技術と、最先端の仮想化技術とクラウド・エッジ・IoT・5GなどのIT基盤を組み合わせたネットワーク技術と言えます。もちろん、このIOWN構想はNTTだけの力では達成できません。特に、仮想現実の世界ではNVIDIA社がダントツの技術力を持っていますし、先のNTTによるドコモ(Docomo)の子会社化も5G・モバイルネットワーク技術を手に入れるためだと思います。

NTTがこのようなIOWN構想を行う理由には、地球温暖化対策が深く関係しています。SDGs(持続可能な開発目標。国連2030年に向けた具体的行動指針)の取り組みと同じく、IOWN構想も2030年を目標に開発が進められています。そしてIOWN構想は、インテルソニーNTTなどが協力してiown global forumという国際的なフォーラムを設立しています。IOWN構想は、AIを使用したエネルギー問題への取り組みも視野に入れています将来的には、電力エネルギーを光ファイバーで伝送する技術の開発が行われています。そして次世代のエネルギー源には、太陽光風力地熱バイオマス、そして次世代の静止衛星を活用する宇宙太陽光発電、太陽がエネルギーを生み出す仕組みを再現する核融合発電などがあります。IOWN構想は、この核融合発電にも協力したいと考えているようです。詳しくは、こちら

IOWN構想は、次世代のマースにも取り入れられます。MaaS(Mobility as a Service)は、すべての輸送サービスをICTでシームレスにつなぐ超高度道路交通システムであり、利用者のニーズに合わせて最適で安全な移動サービスを提供します。また、将来の電気自動車(ソニーVision-S)にも貢献します。2020年の終わりを迎える現在は、高性能のパソコンが登場し5Gスマートフォンがようやく登場しました。しかし、これらはまだ始まったばかりです。具体的には、今後マイナンバーカード免許証が一体化し、本人情報は全てデジタル化されるはずです。現在、本人の銀行口座をマイナンバーと紐付けるかの議論が行われていますが、そもそもビットコインなどの仮想通貨には口座すら存在しません(あるのは暗号コードのみです)。 デジタル通貨の仕組みは良く分かりませんが、おそらくビットコインのような仕組みに近いのではないでしょうか?2021年からは、PayPalによって2600万店舗でビットコインイーサリアムなどの暗号資産での買い物が可能になります。

そのような意味でも、現在は100年に一度の変革と言われる自動車産業と同じく情報産業においても時代の転換点(風の時代の記事こちら)に差し掛かっています。

 

参考URL: 【NTT IOWN構想】 https://www.rd.ntt/iown/

Reference URL:【NTT IOWN Global Forum】https://iowngf.org/

4件のコメント

  1. […] IPv6回線のスピードテストには、IPv4回線とIPv6回線を自動的に判別してくれるものが、殆どです。詳しく地域を入力するものは、地域ごと、プロバイダごとの回線速度が分かるので便利です。回線速度が遅いと感じた場合は、設定を変えてみたり、物理的な部分である、ルーターやハブ、LANケーブルに異常がある場合があります。それでも遅い場合は、より上部のNTTなどの通信キャリア、プロバイダ側になりますので、連絡することをおすすめします。 […]