ツールバーへスキップ

クルマのセルフ査定アプリ「ガリバーオート」によるガリバーのDX戦略とは

フォーブス誌のネット記事を読んでいたら、ガリバーオートのDX戦略の話が載っていたので少し書いてみたいと思います。

DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略で、例えばソニーが既存の技術を活用してEVを製造したり、トヨタがMaaS(マース)と言われる交通インフラを構築したりすることが挙げられます。このようにITによって、従来にはなかった新しい価値を創造することをDXと言います。

MaaSとは、自動車以外の交通手段(例えば、バスや電車、自転車、多人数が乗れるモビリティなど)のインフラの総称の概念のことで、CASE(ケース)とは、ITを活用して自動車を自動化する取り組みのことを言います。CASEは主に自動車メーカーの取り組みのことで、MaaSは主に、スタートアップ企業や既存の自動車メーカーなどあらゆる業種が対象となります。

DXでは「2025年の崖」という言葉が話題になっています。これは、企業が2025年にITを駆使した新しいサービスや製品を提供できなければ、時代に取り残さるという意味の言葉です。しかし、それを行うのは容易ではありません。誰でも思い出すのは、スティーブ・ジョブズが開発したiPhoneやiPodです。ソニーですらそのような製品を開発することができなかったと思い出せば、その難しさも分かるはずです。

このフォーブス誌の記事では、日本で中古車の販売や査定を行うガリバーが、従来のクルマ査定からアプリを活用したクルマ査定やクルマ関わる「新しい体験」を提供する取り組みが紹介されています。そして、この記事では多くの企業はクラウドやインフラストラクチャーを最新のものにアップデートすればDXは完了すると勘違いしている、と指摘しています。

しかし、先ほど説明したようにDXは既存にはない新しいサービスを提供することなので、それでは時代に取り残されてしまいます。むしろ、過去のクラウドやインフラストラクチャーは価値としては残り、既存の業務をするために大切なものと考える必要があります。そのような意味でも、クラウドのIT基盤を最新のものにアップデートしただけでは意味がありません。現在、企業によっては業務の一部を最新のクラウドにアップデートしたりと柔軟な姿勢を見せています。



ここで紹介した、ガリバーやトヨタ、ソニーに共通するDX戦略の共通点は「いかにユーザーの役に立つサービスを提供するか」ということです。それは、以前のように最先端の技術を人々に提供することではありません。もう少し普遍的な価値である、人々が豊かに暮らせるようにサポートするサービスと考えて良いと思います。ここでは、簡単に言うと製造業がサービス業になりサービス業がソフトウェア企業になるということです。これらは、単純に考えても大きな変化です。

企業は、人々がそれらのサービスや製品を自然に受け入れてくれるように考えてデザインしなければいけまんせん。これは言わば、文系と理系を極めるような取り組みとも言えます。日本でいえば、以前のように文系だから総務や人事の仕事をし、理系だから開発の仕事をするということではありません。

例えば、日本の自動車メーカーであるHondaでは、開発担当者が広報担当に異動するような例も見られます。そのような人にクルマを紹介してもらえれば、人々はよりクルマに魅力を持つようになるでしょう。これも、先ほど紹介した技術よりもユーザーの役に立つ取り組み、つまり新しい価値の提案でもあると思います。

同じように、日本の自動車メーカーであるトヨタは、様々な業界の人達が集まるDX関連の会社を設立しています。そこでは、同じ業界の人だけでなく、様々な業界の人間が集まってトヨタのMaaS開発を進めています。ここでは、豊田社長も言うように、未来にこの会社が存在するかは分からないということです。あのトヨタでさえもそのような言わば「実験的」な企業を使ってDXを進めなければいけません。そう考えると、DXというのは最新のIT基盤を活用するだけでなく、アイデア勝負であることも分かります。

そういえば、あの暗号資産のイーサリアムを開発したヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏も、まずは人間の心理を知るために世界中を旅するところから始めたという話を聞きました。実際に彼のツイッターを見ると技術以外の哲学的な考えを多くツイートしています。彼のような優秀な技術者でもあり哲学者だという話は、とてもロマンに溢れています。

ここで紹介したガリバーも、「ガリバーオートアプリ」というクルマ査定サービスをスタートしました。ここでも中心になるのは、いかにユーザーに楽しくて便利なサービスを提供できるのかということです。そのために、ガリバーは最新のクラウドやIT基盤を活用してそれに役立てています。


コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。